永遠の果て
 カップルに家族連れ、休日な為か、たくさんの人でその場所は溢れていた。

 遊園地なんて、何年振りなのだろう。
 入り口で固まっていると、昴くんは照れくさそうに頭を掻いた。
「子供っぽかったかな」
「ううん、そんなことない。遊園地なんて久しぶりだし、すごく嬉しい」
 本心だった。
 きっと今の私には、いろいろ面倒なことを忘れる時間が必要なのだ。と思う。

 メリーゴーランドにジェットコースターに観覧車。
 まるで子供の時分に戻ったかのように、目移りしてしまう。
 ふいに、手を取られた。
「行こうよ」
 気づけば、すっかり昴くんのペースにハマっている自分がいた。
 ドキドキする。
 これがどういう感情なのか、自分でもよくわからない。
「うん……」

 でもなんだか、昴くんといると、すごく楽しい。
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