永遠の果て
終章 永遠の果て

 1ヶ月が過ぎた。

『答えはいつでもいいから』

 あの日、昴くんはそう言って、私に背中を向けた。

 早く決断しなければいけないのに、10年掛かったものを今さらどうやって対処していいかもわからず、ただただ時は流れた。

 けれど、毎日何もせずにいるわけにはいかない。
 やっと見つけた事務の面接が決まったのが、つい5日前のこと。

 何年か振りのチャコールグレーのスーツに袖を通し、慣れないヒールを履いて電車に乗った。
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