永遠の果て
 駅から歩いて五分ほどの五階建てのオフィスビルの二階に、目的の場所はあった。

 百人に聞いて一人答えれらるかどうかの、小さな旅行会社。

 鞄の中の履歴書を確認して、階段を上がる。
 今日が日曜日のせいか、ビルの中に人の気配はほとんどない。

 久しぶりのことに年甲斐もなく緊張する。
 静かに、薄いドアを開けた。

「め、面接に来たものですけど……」

 今日は休みらしい、人気のないオフィスを見渡す。
 確かに、電話で日曜日と指定されたのだから、間違いはないはず。
 不安がこみ上げてきた。


「久しぶりね、詩織」
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