永遠の果て
「え……、どういうこと?」
 あまりに唐突すぎて、全く話が掴めない。
 下を向いていて、太田が今どんな顔をしているか見えない。

「もしあと一回でも詩織に会うことがあれば、話そうと思ってたの」

 短く息を吐いて、太田は続けた。

「実は、細谷先輩と寝たなんて嘘なの」

 一瞬、太田が何を言っているのかわからなかった。
 胸がざわつく。

「あの日、先輩を飲みに誘ったの。詩織のことで話があるからって。
詩織が浮気してるって言ったら、簡単に酔いつぶれたわ。
先輩をラブホテルまで運んで、セックスしたように見せかけたの」
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