永遠の果て
「詩織……」

「もう、いいの。きっかけは太田だったのかもしれない、けれど、そのことがなくても、私たちは別れていたと思う。だから、もういいの」

 どんなに願っても、過去に戻って、やり直すことは出来ない。
 出来るのは、未来を見据えて今を生きること。

 全てを赦すときが来た、と思った。

 視線を、太田に向ける。

「赦す、なんて言わない。でも、これ以上苦しまないで。もう、過去に捕らわれてばっかりはいやなの」
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