永遠の果て
 太田への言葉なのに、まるで自分に言い聞かしているようだった。

「ごめ、……ごめんなさ、私、本当に、」

 見た目は、女らしくなったのかもしれない。


 けれど化粧が崩れるのも気にせずに泣きじゃくる彼女は、私がよく知ってる、あの頃の太田晴海と、少しも変わってはいなかった。

 私たちは、長い間過去に捕らわれすぎた。
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