永遠の果て
「ねえ、詩織」
 ひとしきり泣いた後、二人で向かい合って回転椅子に腰掛けた。

「なに」
 微妙な沈黙のあと、先に口を開いたのは太田。
「私たち、また昔みたいに戻れる?」
「ええ、もうきっと大丈夫」

 今すぐに、というのは無理かもしれない。けれど私たちはきっとやり直すことが出来る。

 太田の瞳を見て、確かにそう思った。

 照れ隠しなのか、太田はデスクの上のファイルをパラパラとめくる。

「こんなんじゃ、面接どころじゃないわね。でも、詩織さえよければ、うちで働いて欲しいと思ってるの。本当よ」

 誰かに必要とされるのは、少なくとも心地よい。

「こちらこそ、これからよろしくお願いします。社長」
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