FULL

フッと、藤島くんが息を漏らしたのがわかった。

顔が一気に熱くなって、藤島くんを見ることができなくなってしまった。


「わっ、笑わないって、…約束、したじゃない」

「笑ってなんかないです」

「だって、」


「嬉しいって気持ちが、こぼれちゃっただけですよ」

言い終わるよりも先に、藤島くんは私を抱きしめた。


ぎゅっと、きつく。


「あ………」


私、今、……藤島くんの腕の中に。


あぁ、なんて。

なんて心地いいんだろう。


泣きたくなるくらいに。


満たされていくって、こういうこと。

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