FULL

「風邪、かなぁ?」

アイドルグループに紛れ込んでも違和感のない顔立ち。

そんな人が、眉尻を下げ、私の目の前に立っている。


不思議。

どうして私なの。


薄く、かたちのいい唇をゆっくりと動かして、私に、

「好きです」

と言った。

それは、三ヶ月前のこと。


ノリで付き合ってしまうほど若くもない。

それなのに、私は藤島くんと恋人同士になることを選んだ。


不思議。

どうして彼を。

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