4つの通り名をもつ最強少女
「嘘、でしょ?!」
「雅が、そんなこと、するような奴じゃない!!」
「本当に、雅さん、なんですか?」
海斗と幸兎は黙ったまま。
しゃべっているのは、春、未琴、舜だけ。
『そんなことするような奴じゃない?
バっカじゃないの?
はぁ、もう疲れた。
あのさ、まだわかんないかな?
なんで、姫になること、いやがってたと思う?』
「そっそんなの、ただ、なりたくなかっただけじゃ…?」
『違うね。そうした方が、私に興味を持って、近寄ってくるからだよ。
それで、姫にする。春がいつも絡んできたお陰で、できたことなんだよ?
春、ありがとね。うまく私の罠にはまってくれて』
春はその場で地面に座り込む。
「じゃあさ、なんであのとき助けた。牙鬼の時なんで助けた」
未琴が、いつもよりも低い声で私を睨みながら言う。
『うわー。怖い怖い(棒)』
「ふざけてんのか?!!」
『え~?全然ふざけてないけど?
あのとき助けたのは、誰かが死んだら
情報が掴みづらくなるからよ。
ははっ、まさか、助けてくれた命の恩人だとでも思ってるの?
それは、あんた達のためじゃない、
私のためなのよ?』