好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「うわっ、びっくりした」

トイレから出てきた俊は私の顔を見て驚いた。でも、さっきの私はもっとびっくりした。


「私たち、結婚するんだっけ?」

私がそう言うと、俊はバツが悪そうに右手で自身の頭をボリボリと掻いて。


「ごめん」

「あと、私たちって交際順調だったっけ?」
「だからごめんって」

なにがごめんなのかよく分からない。とりあえず、なんであんなことを言ったのか一から説明していただきたい。


すると俊は、辺りに知り合いが誰もいないのを軽く確認してから。


「章子、あのさ、ヨリ戻してほしいんだ」
< 105 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop