好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「あ、俊(しゅん)!」
会社を出て、家とは反対方面の電車に揺られて、三駅。そこが私と俊との、いつもの待ち合わせ場所だ。改札を抜けて少し歩いたところにある、駅構内の大きな丸柱のところで、俊はいつものように腕を組んで待っててくれた。
「お疲れ」
クールな俊は、私の声に反応して顔をこっちに向けると、そう一言だけ返した。でも、口元は小さく笑ってくれている。会えてうれしいな。しょっちゅう会ってるけどね。
――鳥道(とりみち) 俊。私と同じ、二十五歳。高校が同じで、高校の卒業式の日に私から告白して、付き合ってもらえて。それから六年間、関係は続いて。今、七年目だ。
これだけ長く付き合ってると、周りの人たちからは『結婚はいつするの?』ってよく聞かれる。聞かれるのも自然なことだとは思う。
……でも。
結婚は、まだまだできないと思う。だって……。
会社を出て、家とは反対方面の電車に揺られて、三駅。そこが私と俊との、いつもの待ち合わせ場所だ。改札を抜けて少し歩いたところにある、駅構内の大きな丸柱のところで、俊はいつものように腕を組んで待っててくれた。
「お疲れ」
クールな俊は、私の声に反応して顔をこっちに向けると、そう一言だけ返した。でも、口元は小さく笑ってくれている。会えてうれしいな。しょっちゅう会ってるけどね。
――鳥道(とりみち) 俊。私と同じ、二十五歳。高校が同じで、高校の卒業式の日に私から告白して、付き合ってもらえて。それから六年間、関係は続いて。今、七年目だ。
これだけ長く付き合ってると、周りの人たちからは『結婚はいつするの?』ってよく聞かれる。聞かれるのも自然なことだとは思う。
……でも。
結婚は、まだまだできないと思う。だって……。