好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「びっくりですよねー。ショックだったろうなって。好きな人が飛び降りなんて」

「……」

「なのに課長も結構周りから責められたみたいですよ。『なんで気づいてやれなかったんだ』って」

「え……」

「そんなこと言ったって、世の中の女の子がみんな、恋人に悩みを相談するわけないですよね? 好きな人だからこそ言えないこともあるだろうし。いじめだって、絶対こそこそやってたんですよ。だったら課長が気づけないのも無理はない……あ、いらっしゃいませー」

そこまで話して、美希ちゃんのところにお客様が来てしまった。
パッと爽やかな笑顔で接客をする美希ちゃんの隣で、私はうつむいて固まっていた。そんな話、聞いたこともなかった。
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