好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「えっ」

駅の入口のところに、俊が立っていた。


「あ、章子」

俊も私に気づいて、いじっていた携帯をズボンのうしろポケットにしまった。


「な、なんでここにいるの?」

「章子の仕事終わる時間は知ってるし」

「そうじゃなくて! ……べ、別に会って話すことなんかなにも……」

「俺はある。もう一回章子とやり直したい」

「……」

こんなこと言われたって、うれしくもなんともない。一度はあんなひどいフリ方をしておいて、なんでそんなことを言えるのか、無神経とすら感じてしまう。
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