好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「じゃ、帰ります」

そう言って私が席を立って、電車を降りる準備をすると――パシッと、課長が私の右腕を掴んだ。

「なに?」

降りる準備をしろと言ったのは自分のくせに。なにか言い忘れたことでもあるのだろうか。


「泊まってけよ」

「え?」

「今日。うち泊まってけよ」

……いきなりなにを言い出すんだ。
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