好きじゃないならキスするな！…好きならもっとキスをして。

結局。私と課長、そして青田さんの三人で、リビングでテーブルを囲み、話をすることになった。正面に課長が、左隣に青田さんが座っている。

私は決して人見知りではないけど、相手が相手なだけにちょっと緊張する。

青田さんは、前に課長が言っていた通り小柄な人で（私よりは背が高いけど）、かわいい、というよりは綺麗、という言葉が似合う女性だった。肌が真っ白で、〝守ってあげたい女性〟って感じ。銀行を退職したからか髪は茶色に染まっていたけど、決してギャルっぽいわけじゃなく、服装も清楚な白を基調としたワンピースだった。

この人と並ぶと、自分が本当にちんちくりんな小学生に見えるんじゃないかと少し不安になった。服装も適当だし……。


「……えと、百瀬さん、だったよね？　今は高柳さんと同じ支店で働いてるの？」

不意に、青田さんが私に問いかける。ちょっと驚いたけど、私も動揺を隠しながら答える。


「は、はい。窓口やってます」

「何年目？」

「さ、三年目です」

「そう。仕事は楽しい？」

「は、はい」

「よかったね」

そう答える青田さんの目は、笑ってるけどどこか寂しそうで。
……そりゃそうか。この人、職場いじめが原因で飛び降りたって……。