好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「え?」

「あ、ほら、もう時間も時間だし、女性がひとりで駅まで行くのは危ないよ。駅まで送っていってあげなよ」

青田さんは「気にしなくていい」と言っていたけど。それでも、このへんはあまり街灯がないから危ないと思ったのは確かだ。


それに、ふたりきりにしてあげたかった。私がいたらできない話がなにかしらあるはず。

少なくとも、青田さんには。


「……じゃあ、すぐ戻ってくるから」

そう言って、課長は青田さんと一緒に玄関を出ていった。
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