好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「紅茶でいいか?」

「あ、私がやるから…」

「たまには俺がやるって。座ってろ」


そう言われ、私はいつものテーブルの前に座り、キッチンの方で紅茶を淹れる課長の背中を見つめた。


優しくするのは後ろめたいことがあるからか?なんて思ってしまって、自分が凄く嫌だ。



「どうした? 顔暗くね?」

課長はそう言いながら私に紅茶のカップを手渡し、自分も私の隣に座った。



顔、暗かったかな。
なるべく表に出さないようにしてたけど。

…変に心配させるよりは、いっそ言ってしまった方がいいかも。
そうだよ、きっと青田さんのウソなんだし……。


「…あのさ」

「ん?」

私が口を開くと、課長は私の顔を見た。



「…青田さんと、キス。したの?」
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