好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「…生涯って、重」
「うるせー」
「…てか、誰か来るかも」
「…じゃ離す」
そう言って課長は私から体を離した。
「…なるべく早く帰るから、家で待ってて」
そう言って私の右手に家の鍵を渡すと、課長は営業室の方へと戻っていった。
「…バカ」
何に対するバカ、なのか、自分でもよく分からなかった。
でも、嫌な気分はしてなくて。そんな自分にちょっとだけイラっとしたけど。
それすらも、もういいやって。嬉しく思った。