好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「あー重っ」
例の硬貨袋をずるずると引きずりながら思わず文句を言う。
今日は美希ちゃんがお休みだから、私がやることになってしまった。
いや、それはいいのだけれど、下手に持ち上げるとまたこの前みたいに腰を痛めるかもしれないし、今度こそぎっくり腰になる可能性だってある。
たからこうして引きずっているのだけれど、引きずったところで重いものは重いし、営業室から金庫室までの、普通に歩けば一分も掛からない距離が、果てしなく遠く感じる。
「重っ」
同じ文句を、もう一度言う。誰に対してってわけじゃないけど。
すると。
「ホラ」
「あっ」
後ろから、ひょいっと、課長が硬貨袋を代わりに持ってくれた。
そのまま金庫室へと持っていってくれる課長に後ろからついていきながら、私にとってはあんなに重い袋を軽々持ち上げて歩いていくんだから、やっぱ男の人だな、なんて思った。
例の硬貨袋をずるずると引きずりながら思わず文句を言う。
今日は美希ちゃんがお休みだから、私がやることになってしまった。
いや、それはいいのだけれど、下手に持ち上げるとまたこの前みたいに腰を痛めるかもしれないし、今度こそぎっくり腰になる可能性だってある。
たからこうして引きずっているのだけれど、引きずったところで重いものは重いし、営業室から金庫室までの、普通に歩けば一分も掛からない距離が、果てしなく遠く感じる。
「重っ」
同じ文句を、もう一度言う。誰に対してってわけじゃないけど。
すると。
「ホラ」
「あっ」
後ろから、ひょいっと、課長が硬貨袋を代わりに持ってくれた。
そのまま金庫室へと持っていってくれる課長に後ろからついていきながら、私にとってはあんなに重い袋を軽々持ち上げて歩いていくんだから、やっぱ男の人だな、なんて思った。