好きじゃないならキスするな！…好きならもっとキスをして。

「実は……」

私は耳打ちをするように、課長に俊とのことを話した。すると。


「彼氏がニートォ!?」

「声でかっ!!　あとニートじゃなくて、フリーターだから!!」

私は思わず、自分の右手を課長の口元にあててそう返したけど、課長は私のその手をすぐにどかし、「お前の声も充分でけぇよ」と答えた。

ちなみに、上司である課長に対し、私はツッコミの勢いで思わず敬語が抜けてしまったけど、普段からあーでもない、こーでもないと言い合っているから、こんなやり取りになることもよくあり、今回もいつも通り、課長からはそれに対してはなにも言われなかった。

そんな会話をしていると、さっき注文した料理を店員さんが運んできてくれた。店員さんには今の話は聞こえてなかったと思うけど、声の音量には気をつけようと改めて思った。多分、課長も。店員さんが出て行ってから、私たちは会話を再開する。