好きじゃないならキスするな！…好きならもっとキスをして。

「オ、オイ、モモ!?」

「うわ～～」

私が大声をあげながら泣き始めると、課長は驚いて慌て始めた。しばらくオロオロしながら慰めようとしてくれてたけど、私がなかなか泣きやまないでいると、チリンチリンと自転車に乗ったお巡りさんがやって来た。

「あの～、どうかしました？」

自転車に跨ったまま私たちに声をかけるお巡りさんに、課長は「なんでもないです」と答えるけど、お巡りさんは自転車を降り。

「あの～、最近このへんで女児に声をかける不審な男の通報を受けてましてですね……」

「は、は!?」

動揺する課長に近づく。


「ち、ちげぇよ！　おい、モモ！　お前、職員証出せ！　あ、イヤ、免許証でもいい！　なにかあるだろ、お前が子供じゃない証明!!」

「わあぁ～」

「お、おい、モモ!!」

誤解が解け、課長がお巡りさんから解放されたのは二十分後のことだった。