好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「……明日、なんの用事があるんですか?」

話を逸らすつもりで、なんとなくだけどそう尋ねてみた。


「用事?」

「明日の朝早いからって、さっき言ってたじゃないですか」

「ああ、あれウソ」

「へえウソ……ウソ?」

私は思わず課長の顔をじっと見つめる。

「なんか疲れたし、二次会まで付き合わなくてもいいかなって。男が三人ついてるから、女性陣もちゃんと帰れるだろうしな」

「で、でも……」

「なに?」

「いや……」

「言えよ」

「……中谷さん」

「え?」

「な、中谷さんともっと仲よくならなくていいんですか……」

自分でも、なんでこんなこと聞いてるんだろうって思った。


「なんで中谷さんが出てくんの?」

「……」

「まあ、中谷さん美人だけど、タイプではないからなあ」

……なんてもったいないことを。
あんな美人をフッたら罰があたる気がする。あの美人に勝てる女性というのは、いったいどんな人なんだろうか、と疑問に思い、課長に尋ねてみると。

「えー、どんなって……」

「……」

「……お前みたいな?」

「はっ!?」
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