好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
ご飯を作る気力もなく、私は夜までずっとベッドに横になっていた。かといって、仕事を休んでいるのに昼寝をする気にもなれず、とくになにをすることもなく、ボーッとして過ごした。たまに本棚から本は借りたけど。でも小難しい小説と経済書しかなかったから、すぐに読むのをやめてスタンドライトの横に放置した。今度少女漫画をこの部屋に持ち込もうかな。


午後八時過ぎ。玄関の戸が開いて、課長がようやく帰ってきた。

「ただいま。ちゃんと寝てたか?」

腰が痛すぎて寝ることくらいしかできなかったんだけど、と思いながら「うん」と答えた。
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