好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
彼氏への不安
「お疲れ様でしたー」
仕事が終わり、着替えも終わって。更衣室を出て、すれ違う人たちに挨拶しながら廊下を歩いていく。
「お、モモ」
「あ、課長。お疲れ様でした」
会議室の前を通り過ぎた時、ちょうど会議室の戸が開き、中から高柳課長が出てきた。
「……お前、今日これからどっか行くの?」
「え?」
「なんかオシャレな気がする」
まあ、確かに。いつもはパーカーにチノパンみたいな、オシャレとはかけ離れたスタイルで通勤してるんだけど。今日はお気に入りのブラウンのブラウスに、最近買った黒の膝丈スカートを穿いて、靴もいつもの安いスニーカーじゃなくて、値段も踵も高めのローファー。髪形も、いつもはうしろでひとつに束ねただけのスタイルを今日はおろしてるし、メイクもきちんと直してあるし、違和感があると思われても不思議じゃないかも。
「これからご飯行くんです」
「ああ、友だちと?」
「いや、彼氏と」
「え?」
課長の動きが、一瞬ピタリと止まった。
「お前、彼氏いたのか?」
仕事が終わり、着替えも終わって。更衣室を出て、すれ違う人たちに挨拶しながら廊下を歩いていく。
「お、モモ」
「あ、課長。お疲れ様でした」
会議室の前を通り過ぎた時、ちょうど会議室の戸が開き、中から高柳課長が出てきた。
「……お前、今日これからどっか行くの?」
「え?」
「なんかオシャレな気がする」
まあ、確かに。いつもはパーカーにチノパンみたいな、オシャレとはかけ離れたスタイルで通勤してるんだけど。今日はお気に入りのブラウンのブラウスに、最近買った黒の膝丈スカートを穿いて、靴もいつもの安いスニーカーじゃなくて、値段も踵も高めのローファー。髪形も、いつもはうしろでひとつに束ねただけのスタイルを今日はおろしてるし、メイクもきちんと直してあるし、違和感があると思われても不思議じゃないかも。
「これからご飯行くんです」
「ああ、友だちと?」
「いや、彼氏と」
「え?」
課長の動きが、一瞬ピタリと止まった。
「お前、彼氏いたのか?」