【短】年下の彼に壁ドンされました。
「こ、ここがどこだか分かってやってるの?」
「社内でも人通りの少ない穴場、だね」
私の言いたいのはそういうことじゃない、ってそう言いたいのに、言えない。
彼の瞳が、かわいさなんて感じさせないくらい真剣だから。
真っ直ぐに私を見つめてくる彼が、どうしようもなくかっこよく思った。
「ずるい……」
「ずるくて結構」
「〜〜っ」
ほんの少し、彼の唇が私の額に寄せられて息を飲む。
年下相手に余裕がなくなるなんて、本当バカみたいだ。
だけど、だけど。
「……好き」
だからこそ好きなんだ、と私は胸を張って言える。
年下の彼だけど、そんな彼が好きなんだ、と。