【短】年下の彼に壁ドンされました。



いきなりなんなんだ、と思って呆けていれば、彼は掴んでいる私の腕を引いて壁際に追いやる。


嘘、と心の中で呟いた。


左右には彼の両手、近い距離。



これが噂の両手ドンか……!



一人妙なテンションになってしまった私は、ぼうっと見ていた彼のネクタイから視線を彼の顔に移す。


私をまっすぐ見つめる大きな瞳、少し尖った唇。


拗ねている彼の顔が、とてもかわいい。



「俺だってこのぐらい出来るんですからねっ」



ああ、かわいすぎる……





……ということで、私はこの状況にいるのだ。


そう。 彼がかわいすぎる、最初の状況に。


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