【短】年下の彼に壁ドンされました。
そう言って、ただでさえ近かった距離が一気になくなる。
だけど、思った以上に難しい顔をした彼に驚いて、私はそれを広げるかのようにしゃがみこんでしまった。
「なんで逃げるの」
そう言って、離れた距離を埋めて私の上から覆いかぶさるように彼もしゃがみこむ。
片手は壁について、もう片方の手は私の髪に指を絡めている。
両手ドンからの、片手ドン。
それに、いつの間にか話し方も敬語じゃなくなっている。
さっきとは打って変わって少し強引のように感じる見下げられる壁ドンにドクドクと心臓が脈打つ。
私、変だ……ここは社内で、ちょっと道を外れれば人がいるのに。
「だ、だって今「キス。しようとしたけど?」