Dear...
狭い世界
2006年4月 中学1年
「櫻井愛菜さん」
私の名前を呼ぶ先生に無愛想に小さくハイと答えた。
出席を取るときは人柄が多いに出る。
大きく元気に答える人
小さく恥ずかしそうに答える人
たまに返事しない人もいる…
入学してから間も無いが友達も出来て
充実している学校生活。
でも人間不信な私は深く関わることも友達さえ必要なかった。
というのも過去のトラウマからくるもの。
私が幼稚園の頃、父と母はギャンブルに依存。夫婦喧嘩は毎日恒例で私は家に独りだった。
小学校に入って親のギャンブルも酒も喧嘩もエスカレートしていき私は母の方の祖母に引き取られた。
と言っても二世帯住宅で祖母に引き取られても親の喧嘩の声で眠れない日々が続いた…
しばらく父は家に帰らなくなり母からDVが始まった。2日間手を縛り付けられご飯も水さえもらえなかった。見えないところを殴られたり蹴られたりまるでサンドバック状態であった。
大好きだった祖母は姉の娘が産まれてからそっちに付きっきりで…
ーー誰も助けてはくれないーー
小学校ではイジメがありターゲットを決めて皆で無視するようなものだった。
ターゲットはコロコロ変わっていたのだが次は私であった。
”独り”それでも構わなくなっていった。