【短編】ベールを脱ぐ
誘い方は悪くない。恋人未満にするなら、こんな人。私は、今夜は遠慮して後日、と返事をした。


*─*─*



「早く脱げよ。何、それもと脱がせてほしい訳? なら、ちゃんと口で言えよ。脱がせて下さいって」


座面にヒビのある安いソファ、久住はふんぞり返って缶ビールを煽る。

私はベッドの脇で一枚一枚、自分の服を剥いだ。それを久住は場末のスナックでショーを見るように、鼻で笑いながら横目で見る。



「やらし。何、その白い下着。清楚を装ってるつもり?」


全てを落とし、私は両手で自分の胸を隠した。


「ねえ、脱がないの?」
「脱いで欲しいのかよ。なら、脱がせろよ」



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