これもあり?
☆☆☆
女性社員が定時で上がっていった。
先ほど会議に出て行った部長たち。
今、この空間には、残業中の僕と佐々木しかいなかった。
いきなりの、チャンス到来。
僕は、彼の近くまで行くと、話しかけた。
「佐々木ってモテるよね」
「…いきなり何?」
確かに、いきなりすぎたかもしれない。
パソコンの手は止めず、こちらを見ようともしない佐々木。
残業中に邪魔してどーする。
だけど、原田さんと約束しちゃったし。
聞くだけ聞こう。
そしてすぐ帰ろう。
「佐々木はさ、モテるくせに彼女作らないみたいだけど、タイプの子はいないの?この会社で、」
「いや、いるけど」
「ふーん。え、いるの!?」
「一人だけいる」
それって、もしかして原田さん?
そうなの!?