癒しの王子と気の強いお姫様
本編
「また告白されちゃった」
「そうなんだ。良かったね」
昼休み、私の話を聞いてニコニコと笑っているのは幼なじみの皓。
母親同士が仲が良いという理由で、小さい頃からなにかと一緒にいる機会が多かった。
皓は小さい頃から女の子のように可愛くて誰にでも優しい男の子。私はその反対で活発で気の強い女の子だった。
皓が転んで泣いたりすれば私が慰め、同級生の男子から虐められた時は私が代わりにケンカした。
しかしそんな皓も中学になると一気に背が伸び、あっという間に私を追い越してしまった。
その頃からだろうか。私が皓を1人の男として意識し始めたのは。
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