癒しの王子と気の強いお姫様
高校に入学すると同時に、皓は穏やかな性格のせいか癒しの王子と呼ばれるようになり、一躍学園の人気者となった。
毎日誰かしらが皓に告白をしにくるが、皓はOKの返事をしたことがなく、みんな玉砕して帰って行く。
そのせいで、いつの頃からか変な噂が立ち始めた。なんと私が皓を射止めに来る女子を蹴散らし、自分だけのものにしようとしてるらしいと。
そりゃあ自他ともに認める気の強い女ですが、人の恋路を邪魔するほど人間は腐っちゃいない。
しかし、その時期を同じくして私もなぜかモテ期が到来した。どうやら今時の草食男子には気の強い女子が輝いて見えるらしい。
だが、顔もよく知らない人から告白されても実際は嬉しくなどない。
それより本当に言って欲しい目の前の人物は、全くそんなそぶりもないからつい自慢話をして興味を引こうとする愚かな女なのだ私は。