『冴えない夜も二人で…Ⅱ』
理不尽な残業
金曜の終業間際は何故かしらソワソワと浮き立っているように感じる時間帯
特に急ぎの仕事を抱えていない今日は定時退社が出来そうだとデスクの上を整理しようとしていたら
「ちょっといいかな?」そう声を掛けてきたのは課長
「これ…月曜の朝イチまでに発送出来るようにして置いて…」ニヤニヤと厭らしい顔で大量のDMを示すが
只今の時間は『PM5:50』
今日バイトの女の子は終始暇そうにスマホを弄りながらお菓子を食べていたはず…って事は
これは例の件に対する課長の腹いせか?
例の件とは課長のミスで4名の社員と得意先の担当者2名が休日出勤をすることになった時の事
そのミスを私に押し付けて責任逃れを画策した課長
でも課長とのやり取りの全てをヴォイスレコーダーに残していた私は責任を負わされることは無かったけれど…
その後から何かと課長の嫌がらせ?
そうとしか考えられない仕事をさせられることが多くなった。
もし私が嫌そうな顔を見せさえすれば課長も溜飲が下がり、スッキリしただろうに…
そんな課長が余りにも幼稚に見えて思わず笑ってしまう私が居た。
「分かりました…月曜朝イチですね?」笑顔でそう言ったら
ニヤニヤ顔が引っ込んで急に機嫌が悪くなる。
はぁーーーホント疲れる人だ!
この量だと10時頃まで掛かりそうだなぁ~と目算
ちょっと飲み物でも用意するか…
席を立ち給湯室に向かったら人の話し声が聞こえてきた。
「一之瀬さん…今日飲みに行きません?」甘ったるい女の声が
私の3つ年下の後輩を誘っている場面に出くわしてしまった。
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