『冴えない夜も二人で…Ⅱ』
それから暫くして店を出た私たちは湿布薬と彼の下着類を購入して、何故か彼は私の部屋に居る。
彼との付き合いで不安なのは…彼と社長の息子との約束
皆が(勘違いで)狙っている彼と付き合っているのが周囲にバレたらと不安もある。
(女の嫉妬ほど恐ろしいものはないからね…)
私の不安を感じ取ったのか?
彼は何も心配いらないと口にする。
「もう直ぐアイツは本社勤務になります…
そこで初めて社長の息子としてお披露目されると思います。
その時に婚約も発表するとか…
アイツ言ってました身分を隠したから素の自分を好きになってくれる人に出会えた…って
だから俺に感謝しているそうです」自分の事みたいに嬉しそうにそう教えてくれた。
「実はアイツが約束してくれたことがあって…
『仕事で困った事があったら何でも言って来い』って言ってくれたんです。
だから先輩…課長の理不尽な仕打ちに怯えなくても大丈夫ですよ…先輩には社長の息子が付いてます!」
カッコ良く決めてくれたけど…
「そこは…先輩には俺が付いてます!そう言わなきゃダメでしょ?
それにいつまで先輩って呼ぶつもり?その敬語も何とかしてよ
3歳差これでも結構気にしてるんだから…」照れくさくてプイッと顔を逸らす。
「敬語止めると会社で混乱しそうだからなぁ~名前は呼んでもいいですか?
『まりや』…って」
「うっ…その名前も結構コンプレックスだったりするけど…うん…いいよ」
「えぇーーいい名前じゃないですか?」と驚く彼
「容姿と名前が合わないでしょ?名前負けなのよ…」見た目が普通の私は自分と名前が合わない気がしてならなかったから…