君を守りたい

「ま、いーわ。私はそこの彼女が心配だっただけだから。」


そう言って女の子は行っちゃったんだ。


俺は美和ちゃんの方へ向き直って、

「大丈夫…？」

もう一回聴いた。

後ろでぱさっと何か落ちる音がした。

振り向くと小豆色のカバーがかかった生徒手帳が落ちていた。



僕らの学校のじゃない。
そう思って手帳の最後のページを開いた。
亜知神 百合子
（あちかみ ゆりこ）

なんか大層なお名前だな…
でも、校則のところを読んだら毎朝持ち物チェックがあるらしくてもしこの手帳を持ってないならば一日、廊下でバケツ3つ持って過ごすらしい…



……