不器用な愛の示し方。
ピピーーーーッ
先生が笛を吹くと同時にボールが上がる。
ボールを取ったのは、相手チーム。
まぁ、ここらへんでいっちょやりますか。
本気でやってみると案外楽しいもので、俺は途中から妃菜ちゃんにかっこいいとこを見せるということすらも忘れてバスケの試合に熱中した。
ピピーーーーッ
試合の終わりを告げる2回目の笛が鳴った。
そこで試合に出てた10人は床に倒れ込む。
皆、肩で息をしていてとても疲れていた。
でも皆笑顔だった。
実際、すっごく楽しかった。
「じゃあ、今日はここまで。片付けをして着替えること。」
先生はそう言い残して体育館を去っていった。
床に倒れ込んだ10人はそれでもまだ動かなかった。