不器用な愛の示し方。
あからさまにがっかりしたように肩を落とす。
けれど、すぐに立ち直ってとびっきりの笑顔で
「任せて。」
と言った。
そのすぐ後に私は視線を逸らす。
本当にあの笑顔は反則だって…。
「弘貴の馬鹿。」
私は小さく呟く。
ピピーーーーッ
笛が鳴った時にハッとする。
どうやら試合が始まるみたいだ。
女子は皆、原弘貴が出るからか、バレーをサボり男子の方を見ている。
もう先生も注意する気もないみたいで黙っている。