不器用な愛の示し方。
隣のクラスに着き、教室を見渡す。
そこには、愛しい愛しい彼女の姿が。
「日々野さーん、ここ教えてー?」
「あ、日々野さん俺もいいかな?」
そうか、今は期末考査が近づいてる時期。
この時期は妃菜ちゃんはモテモテ。
教えて下さいと懇願する者がたくさん現れる。
仕方ないな。少し待つか。
そう思いながら、ドアによりかかる。
一人一人丁寧に教える彼女の姿を見つめながら。
彼女は決して親しい人の前でしか口調を崩すことはない。
最近は俺にも崩してくれるようになったが、クラスの人にはあの花木ちゃんぐらいだろうか。
なんか、周りと壁を作ってるように見えるんだよな。