不器用な愛の示し方。


「もう俺に近づかないでくれ。」


俺はそう告げて妃菜ちゃんの前から去る。



そんな泣きそうな顔で俺を見ないでくれよ。


今すぐ撤回してやりたくなる。

今すぐ大好きだって。

本当は離れたくないって。


言いたくなってしまう。



妃菜ちゃん。今まで縛り付けてごめんな。



妃菜ちゃん。妃菜ちゃん。


本当に俺は妃菜ちゃんが大好きだったんだ。


「待って、原君…!!」

妃菜ちゃんが追いかけてきて俺の服の裾を掴む。

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