不器用な愛の示し方。
桜が満開の春。
俺は都内有数の私立中学に入学した。
電車通だったけれど、友達も一緒だった。
バスケ部に入って、それなりに充実していた。
その時、俺のことを名前で呼ぶ奴は少なくて、皆"ヒロ"と呼んでいた。
それがその当時の俺だった。
俺はその頃まぁまぁ充実していた毎日を送っていたと思う。
勉強もついていけたし、部活も上手くいっていた。
その頃にあの女の子に会った。
いや、正確には見かけた。