不器用な愛の示し方。
「…ら、…は…ら…、おい…っ原!!」
「はいっ?!」
俺は先生の怒鳴り声で目を覚ます。
眠たい目を必死に開けると目の前には浜ちゃんの姿が。
「お前は俺がHRをしてる間もグースカ寝やがってぇ?俺の呼びかけには答えない。」
こめかみがピクピクしてるのが目に入り、相当怒ってるのだとわかる。
「はは…。」
愛想笑いで返すが、冷や汗が頬を伝うのがわかる。
「お前にはプリントじゃなくて、資料室の掃除をプレゼントしてやろう。」
笑ってそう言った浜ちゃんだったが、目は笑っていなかった。
「ぅげ…っ?!」
資料室の掃除といえば、誰もやりたがらない一番不人気の罰だ。
しかも、結構広い為一人では到底無理だ。
「ひ、一人?」
そう聞いた俺に浜ちゃんはニッコリ笑って言った。
「日々野さんに頼むから。」
そう言いながらニヤッと笑い、浜ちゃんは教室から去って行った。
放心状態の俺を置き去りにして。