不器用な愛の示し方。


浜ちゃんの野郎、絶対朝のやつ見てたな。

気が重い。


まぁ、それは放課後だからまだ整理をつけるのは後としてだな…。


懐かしい…夢を見たな。


俺の辛い初恋の思い出。

出来れば思い出したくもない、苦しい思い出。


でも、嫌な思い出というもの程脳は精密に記憶してるようで、こういう時は都合がいいなと思う。



あの人は、妃菜ちゃんに似ている。


あの人を大人っぽくして、髪を下ろして、眼鏡を外した感じが妃菜ちゃんだ。


そのせいもあって、俺は妃菜ちゃんに一目惚れしたのだ。


桜が満開の道を堂々と歩いてくる妃菜ちゃんに、あの日、一目惚れしたのだ。


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