不器用な愛の示し方。
去っていこうとする原君に向かって走る。
「待って、原君…っ!!」
待って。行かないで。
飽きないでよ、私に。
彼の服の裾を掴み、引き止める。
止まってくれたのが幸いだった。
「あのね…!!」
…好きなのっ!!そう言おうとした時。
「ごめんな、妃菜ちゃん。俺、最低だな。」
そう悲しい顔で呟く。
「そんなっ…!!」
そんなことない。
そう言おうとするけど、上手く舌が回らない。
「大好きだったよ。バイバイ、妃菜ちゃん。」
「…っ!!」
原君のひどく悲しそうなつらそうな
今にも泣きそうな顔に言葉が詰まる。