不器用な愛の示し方。
放課後、私は資料室の掃除を頼まれていたので資料室で掃除をしていた。
聞いた話だともう1人くるらしい。
けれど、その人は来なかった。
正確には来たらしいが、姿は見えなかった。
でもね、気配でわかったんだよ。
あんなに好きだったんだもん。
原 弘貴君。
もう、私とは話してくれないの?
それともやっぱり遊びだった?
彼は私に見えないように掃除をし、かえって行った。
胸が痛かった。
私の初恋が終わった9月。
まだ暑さの残る、秋の始まりだった。
-妃菜side-END