不器用な愛の示し方。
__次の日。
「原君!!原君いる?!」
朝のSHRが終わった頃、千佳ちゃんが俺のクラスに来て、慌てて俺を呼ぶ。
幸じゃなく、俺を____。
何すごく嫌な予感がして、俺も急いで千佳ちゃんのところへ行く。
「どうした?花木さん。幸呼ぶの?」
「ち、違うの!!お…落ち着いて…聞いてね…?!」
そして、この日。
俺の嫌な予感は的中することとなる。
「ひ、妃菜が…妃菜が…!!転校しちゃったの…!!」
は…?
俺は一瞬わけがわからなかった。
転校…?妃菜ちゃん…が…?
「今まで出てこなかったのは引っ越しの準備とか、転入手続きとかの関係なんだって…!!」
千佳ちゃんの話さえ、上手く頭に入ってこない。
「嘘…だろ…?」
やっと口から出た言葉。
「私だって嘘だと思いたい!!」
目の前でそう、涙目で訴えてくる彼女はどう見ても、嘘をついているようには見えなかった。