不器用な愛の示し方。
…そこに、妃菜ちゃんはいる。
行ったらわかるのだろうか。
千佳ちゃんの発言の意味。
妃菜ちゃんが背負っているもの。
人と距離をとり、接しているのはそれに何か関係があるのではないのか。
「お願い。原君…!!
妃菜は今、泣いてる…。」
妃菜ちゃんが…泣いてる?
あの、、底なしに明るかった妃菜ちゃんが…?
「あの子の背負ってるものは、私じゃどうしようもできないの…。」
「花木さんが、できないなら…俺にも無理だよ。」
そうだ、できる筈がない。
俺はその場を後にする。
後ろで幸や千佳ちゃんが何か言ってるが、何を言っているか聞こえない。
俺はもう心に鍵をかけた。
不思議と、、
涙は出なかった。