不器用な愛の示し方。
-妃菜side-
「はぁ…。」
私が、原君から逃げるように転校してきた先は…
川島学園。
以前、私の通ってた学校だ。
私は今、川島学園高等部1年A組のプレートのかかった教室の前にいる。
中は今、SHRの真っ最中。
担任である、桐平 拓斗(kirihira takuto)先生の声がよく聞こえる。
中学時代もお世話になった、古典の先生である。
「では、皆に懐かしい転入生を紹介する。日々野、入れ。」
それを合図にして扉を開く。
教室にはたった半年なのに、すごく懐かしい顔が揃っていた。
「日々野さんだ!!」
「え?!雰囲気変わったね?!」
「ちょー可愛くなってる!!」
教室のあちこちから、言葉が飛び交う。