不器用な愛の示し方。


そして、そのショートカットの子が私の方を振り向く。

見覚えのある顔に、必死に記憶を辿る。

「もしかして…。花菜ちゃん?!」

私がそう言うと、その子は顔を輝かせた。

「覚えててくれたの?!妃菜ちゃーーん!!」

そう言われ、抱き締められる。


「花菜ちゃん、髪短くなってたから一瞬わからなかったよ〜!!」

この子は、宮城 花菜(miyasiro kana)ちゃん。

私が中学生だった頃に、よく話していた子の1人だ。

当時、私より長かった髪は、今はバッサリ切られていた。

「ポニーテールに飽きちゃって‼︎」

そう笑って言う花菜ちゃんはすごく可愛かった。


「でも、ショート似合うね‼︎花菜ちゃんらしいよ‼︎」

明るく、活発な花菜ちゃんにはピッタリなショートヘア。

すごく似合っていた。

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