恋する予感
初めて感じる佐伯の口づけに、為す術もなく、佐伯に支えられていないと立っていられない状態になっていた。
「クスッ…そんなに腰が抜ける程、良かった?」
「っ…ち、ちがっ…」
「彩」
「っ……」
耳元で名前を囁かれ、恥ずかしさのあまり、佐伯の胸元に顔を隠してしまった。
その反応が以外だったのか、佐伯はクスリと笑ってまた耳元で話し掛けてきた。
「もしかして、彩は耳が弱いの?」
「っ…ちがっ…」
「そんな真っ赤な顔をされても説得力ないよ?」
「っ……」
「さて、月曜日までたっぷり時間はあるし、彩に男としての俺を知ってもらいましょうかね」
「それってどういう…」
「そのままの意味ですよ。さぁ、いつまでも玄関先で話をしてたら風邪を引きますから、ベッドに行きますよ」
「ちょっ……」
そう言うと佐伯はまた私のことをお姫様抱っこしたのであった。